ご自分の靴のサイズを知っていますか?
〜靴のサイズの測り方と、お悩み別の気をつけて欲しい靴のサイズについて〜
こんにちは!元靴問屋直販 浅草《マルゼン》店長・靴コンシェルジュの根津です。
靴のサイズを選ぶとき、すぐにぴったりな靴が見つかると良いのですが、
「足が細く甲が低いので、靴を買うとき悩む」
「幅広で甲が高い足に、合う靴がなかなか見つからない」
「左足22.5㎝、右足23.0㎝、左右のサイズが違う私はどのサイズを買えば良いの? 」
「サイズはぴったりだと思ったのに、歩くたびにかかとがパカパカ上がる」
「足の指が上がっているから、靴に指が当たって痛い」
「サイズがぴったりな靴を選んでも、歩くとかかとが当たって痛い 」
「親指が長いから、靴の先に親指が当たってしまう」」
などなど、来店されるお客様の靴のサイズに関するお悩みは本当にさまざま。そこで今回は、そんなお悩みにお答えしてまいりましょう。
1.靴のサイズのお話
1-1.ご自分の靴のサイズ、ワイズをご存知ですか?
あなたの靴のサイズは? と聞かれたとき「25.5cm」と足の長さを答える人がほとんどだと思います。
実は、足のサイズには「足の長さのサイズ(足長)」だけでなく「足の幅のワイズ(足囲)」の2種類があることをご存知でしょうか。
JIS(日本工業規格)に基づく日本の靴のサイズは、「足の長さ(足長)」と「足の幅のワイズ(足囲)または(足幅)」の2カ所の寸法を表記するようになっています。つまり24.5cmや26cmのように一般的に知られる「足の長さのサイズ(足長)」と、A〜EE、Gなどのアルファベットで表記する「足の幅のワイズ(足囲)」があるのです。
下に表を置きましたので、参考にしてください。
足の長さのサイズ(足長)は把握されてますが、足の幅ワイズ(足囲)は認識されていない方が多いようです。
素材や形が違うので、靴のサイズ・ワイズがぴったりだからといって、すべての靴が履き心地が良いとなるわけではありません。それでも靴を選ぶ際には、ご自分の足のサイズ・ワイズを正しく把握しておくと、より足に合った靴が見つけられるでしょう。
1-2.ご自分の靴のサイズ、ワイズの測り方
お店に行って靴を選ぶとき、事前に足のサイズを知っておくとスムーズです。
また、通信販売などで購入するときの目安にもなりますので、一度足の大きさをきちんと測っておくと良いでしょう。
測り方は、まず足全体が入る大きさの紙とボールペン、メジャー、定規を用意してください。
1-2-1.足の長さのサイズ(足長)を測る
定規を使い、紙の真ん中に長い縦線と、かかとをおく下位置に横線を十字に引きます。
定規を使い、紙の真ん中に長い縦線と、かかとをおく下位置に横線を十字に引きます。
縦線と横線の交わる部分にかかとをおきます。このときかかとの先が交差部分にピッタリ合うよう、定規を垂直にしてかかとを合わせると正確に測れます。
足の一番長い指を縦線に合わせて、ペンで印をつけます。
足を紙から外して、定規やメジャーで計測します。
1-2-2.足の幅(足幅)を測る
定規を使い、紙の真ん中に長い縦線と、かかとをおく下位置に横線を十字に引きます。
縦線と横線の交わる部分にかかとをおきます。このときかかとの先が交差部分にピッタリ合うよう、定規を垂直にしてかかとを合わせると正確に測れます。
1-2-3.足の幅のワイズ(足囲)を測る
小指側・親指側の一番膨らんでいるところにぐるりとメジャーをまわし測ります。
下記の表から、足のサイズをご確認いただけます。
例)
《男性》
足長25.4cm、足囲22.3cmの場合→ワイズB
1-3.メーカーにより、靴のサイズ感が違う場合も
日本の靴のサイズはJIS(日本工業規格)で決まっています。それに沿ってきちんと作られた靴であれば、ご自分のサイズでぴったりと思われる方が多いのではないでしょうか。おおむね、大手靴メーカーはきっちりと規格通りのサイズのようです。しかし多くの靴を取り扱う私たちは、独自のサイズ感で展開しているメーカーもあると感じています。
また履き心地は、サイズ感とは異なる場合もあります。さらに、素材や靴の形によってもサイズ感や履き心地が変わってきますので、足のサイズはあくまで靴選びの目安のひとつとしてください。
ご自分の足にサイズ感が合うメーカーやブランドを把握しておくことも、快適な靴選びの近道かもしれませんね。
2.足に合わせた靴選び
2-1.《靴のサイズ選び》甲高の方は、ワイズ4Eの紐靴で調整できる靴を
甲高の方は足の長さのサイズが合っていても、靴が入らなかったり、入っても痛かったりと靴選び・サイズ選びには迷いますね。
足の甲が高い方が、足の長さのサイズ(足長)だけで靴を選ぶと、甲が靴に当たって痛いということになりがちです。
先ほどお話ししたように、靴のサイズには足の長さのサイズ(足長)だけでなく足の幅のワイズ(足囲)もあります。E→2E→3E→4E→5Eと、数字が大きくなるほど幅広くなります。
そこで快適な靴を求める甲高の方には、幅が広い4Eサイズの紐靴をおすすめします。靴の紐を調整することで、甲に靴を合わせることができます。
紐がなく足の甲を全部入れるタイプの靴は、足の長さのサイズ(足長)がぴったりだというだけで履き始めると、後々足の甲の部分が靴に当たって痛いということにもなりかねません。
甲の高い方は、足の長さのサイズ(足長)だけでなく、足の幅のワイズ(足囲)の確認も大切なのです。甲が接する部分に違和感がないか、きちんと確認してください。試し履きのときのちょっとした違和感は、長く履き続けることで我慢できないほどの痛みになる場合があります。慎重にお選びください。
2-2.《靴のサイズ選び》かかとが痛い!とならないために
かかとの高さの合わない靴を選ばないのが一番ですが、合わなかったからといって気に入った靴を捨てる必要はありません。
「かかとクッション」という、かかとの下だけに入れる下敷きがありますので、まずはそれを入れて調整してみてください。詳しくはお店にご相談くださいね。
2-3.《靴のサイズ選び》左右の足のサイズ(足長)が違う場合
ある日、靴コンシェルジュとしてシューフィッターの講習会に参加したときのことです。70名の参加者中、左右の足のサイズが一緒だった人はひとりとしていらっしゃいませんでした。人間は左右対称にできていません。足も左右のサイズが違うという方はたくさんいらっしゃいます。
そんな足の左右のサイズが異なる方は靴をお選びになるときも悩みますよね。
そこで、左右の足のサイズが異なる場合は、足のサイズが小さい方に中敷を入れてサイズを調整しましょう。足のサイズの調整でおすすめの中敷は「衝撃吸収(商品名)」です。
軽く耐久性に優れ、靴の中でズレにくく、歩行時の衝撃を連続吸収してくれるのが特徴です。一度ご購入されるとリピートされる方が多い、人気の中敷です。
2-4.《靴のサイズ選び》足が前に滑ってかかとがパカパカしないために
「買ったときはぴったりだと思ったのに、しばらく履いていたら靴がパカパカするようになった」というご相談もよくお受けいたします。
サイズは合っているのに甲や足全体が薄かったり、かかとが狭く薄い方が、靴型と足型が合わない靴を選んだ場合に多いですね。そんな方は、かかとが低く靴の傾斜があまりない靴をお選びください。
もし、かかとが高く傾斜がある靴を選ぶ場合、パンプスなら甲を押さえるベルトがある靴や、形状が深い靴(足を覆う部分が多い)が良いでしょう。
紐靴の場合は、紐をしっかり結ぶことで、足が前に滑ってかかとがパカパカすることは少ないでしょう。
2-5.《靴のサイズ選び》足の指が浮いている(浮き指)の方の場合
「浮き指」をご存知ですか?
立っているときや歩いているときに、足の指が靴底に接地せず、浮いている状態のことです。
靴選びでお悩みになっているお客様の足を見せていただいたとき多いのが、この浮き指。実は、日本人には浮き指の方がとても多いのです。
以前「足の指が靴に当たって痛い」というお悩みのご相談がありました。
拝見すると、足の指が浮いたまま歩いている浮き指状態。浮き指は、足の指の全体が上がってる方や、指の一部が上がってる方などタイプはさまざまですが、おおむね外反母趾や内反小趾の状態の方に多く見られます。
そんな浮き指の方には、スニーカーでは素材がメッシュで、ストレッチがあって指先が靴に当たらないものをおすすめします。
パンプスでは、できるだけ柔らかい革を使用した靴や、つま先部分が厚く高さのある靴など、靴先に広がりのある靴を選ぶと良いでしょう。
2-6.《靴のサイズ選び》親指が長くて靴に当たってしまう方の場合
親指が長くて当たってしまうという方は、そもそもサイズ選びから間違っているかもしれません。
親指が長い方がご自分の足に合ったサイズを選ぶには、親指に合わせて考えます。親指が当たらない靴を選んで、試し履きをしてください。
パンプスの場合、靴の木型が深めの靴やつま先が長い靴は、歩いているうちに前に滑ってしまい、親指が当たって痛いということもあります。
最初は良くても、歩いているうちに前に滑ってきてしまうかもしれません。
その場合は、中敷を足が滑らない素材に変えるか、ヒールの高さを抑えた靴を選ぶようにしましょう。
3.サイズの合った靴で、快適に歩こう!
靴のサイズが合わなくて、足の爪先やかかと、甲が痛いというのは辛いもの。
きちんと足のサイズに合った靴で歩くことで、疲れにくく快適に過ごすことができます。
また、足の幅ワイズ(足囲)も大切です。ご自分の足より細いサイズを選ぶことで足が痛い、爪が痛いということになります。
しかし、広いサイズが楽だからと足の幅ワイズ(足囲)を実際の足のサイズより大きいものにすると、靴の中で足が泳いでしまい、爪先が靴に当たって痛いということ。さらに疲れの原因にもなってしまいます。
また、ご自分のサイズより大きな靴を履き続けると、足の幅が広がり、土踏まずの足のアーチがなくなったり崩れたりして、肩こりや腰痛などを引き起こしてしまうことも。
さらに靴の中で足が動き指が擦れて、魚の目やタコの原因ともなります。安易に大きなサイズを選ぶことは、要注意ですね。
反対に、きつめの靴を履き続けたり、足幅のサイズが合っていない靴を履き続けることは、外反母趾の要因となります。
ちなみに、大人になったからといって足のサイズに変化がないわけではありません。体重の増加で、足も太ります。また、足の使い方や運動などで、サイズやワイズが変わることもあります。
靴のサイズがちょっと合わないなと感じることがあったら、一度計測してみてください。
4.お店で、お電話で靴のサイズのご相談をお受けします。
《靴の共履マルゼン浅草》の店舗は、浅草の駅前にあります。土地柄か観光の方も多く、旅行の途中に「靴ずれが痛い」「足が痛い」などの理由で、急遽ご来店されるお客様もいらっしゃいます。
花火大会のときは、浴衣を着て履き慣れない下駄を履いたことで指が痛くなり、楽なサンダルに履きかえていくお客様も。
また、デートでお洒落な靴やかかとの高い靴を履いたことで足が疲れて痛くなり、ヒールの低いパンプスに履きかえていくお客様もいらっしゃいます。
そんなお客様の足をよく拝見させていただくたびに「靴のサイズが合ってないなぁ」と感じることが多いです。
ご自分の足の長さのサイズ(足長)、足の幅ワイズ(足囲)を正しく知って、足に良い、身体に良い靴選びをしましょう!
《靴の共履マルゼン浅草》では、お店やお電話で、靴のコンシェルジュによる靴の購入相談を承っています。お気軽にご利用くださいね。